大会宣言
一昨年、音楽ユニオン結成三十周年を迎えた第三十三回定期全国大会において、私たちは、内外の関係団体等と連携し、あらゆる運動の先頭に立つことを誓い、全力でとりくんできた。しかし、それから二年が経過した今日、音楽家を取り巻く社会状況は、悪化の一途を辿っている。
このような状況を反映し、音楽ユニオンには、労働問題はもちろんのこと、多岐にわたる相談が寄せられている。賃金不払い、契約不履行、不利益契約の解消等の他、最近では、少子化の影響もあり、音楽大学等の教育分野における教員のリストラや短期契約への変更などが目立っている。
かつて我々の先輩たちも多くの困難に直面し、音楽ユニオンという大きな団結を示した。そして、自分たち自身の力で権利を獲得した。
ところが最近、相談のため事務所を訪れた人の多くが、音楽ユニオンの存在を知らず、やむなく周囲に相談したところ、会員をはじめとする善意の第三者から音楽ユニオンを紹介されたという。
広報活動には力を注いできたが、今後はこれまで以上に音楽家にとってなくてはならない組織であるという認識を広める活動を強化しなければならない。
前述の問題の他にも、技術革新による音楽産業の変化など、再び大きな転換期を迎えている今日、いま一度、全音楽家が音楽ユニオンの下に団結し、目の前にある問題、将来への懸念を払拭すべく、立ち向かうべき時だ。
私たちは、音楽家の権利を守るのは、音楽家自身だとの思いを胸に会員拡大に努め、全ての音楽家と連帯を深めつつ、健全な音楽家社会の実現と音楽文化発展のため、あらゆる運動の先頭に立つことを改めてここに決意する。
右、宣言する。
二〇一五年七月二十三日
日本音楽家ユニオン第三十五回定期全国大会