佐賀県唐津市立 小川小中学校
訪問日 20109年11月1日
早朝、朝市と烏賊で有名な呼子から出航する小川島行のフェリーは多くの釣り師で賑わい、3人はに20分の短い船旅を楽しみました。
唐津市立小川小中学校は島の山腹にある小さな学校でした。
港には数々の漁船が停泊していましたが、島民の減少と経済傾向により漁船の数も三分の一となり、少子化も加速したそうです。
しかし、近年国土交通省が推進している『離島留学』の制度により唐津市内や県外から毎年数名の“留学生”を迎え、今年度は小学生4名、中学生5名がこの学校で学んでいます。
昨年まではヴィオラ奏者の音楽科教諭が在籍し、数年前まではチェロを嗜む事務職員も在籍していたため、学校では彼らによる小さな音楽会が催されていたそうです。
楽器経験者が不在となった今は生の音楽に触れることがより難しくなり寂しくなったとのことでした。
校長先生のご挨拶ののち、あすなろコンサートin小川小中学校は「愛のあいさつ/エルガー」でスタートしました。
ヴァイオリンの櫻野貴史さんの客席を練り歩きながらの熱演と軽妙なトーク、
ピアノの川﨑美香さんの風変わりなトルコ行進曲と目から鱗の音楽トリビア、
コントラバスの藤井良子さんの世にも珍しい独奏と楽器の仕組み解説、
演奏とトークが進むにつれ緊張気味だった子供たちの表情が和らいでいくのがわかりました。
その良きタイミングで待望の楽器体験コーナー。
音楽室には各種教育楽器の他にヴァイオリンが2挺あったので、小学生・中学生・教職員の3チームに分れて各楽器を使っての合奏体験をしてもらいました。
久し振りのアンサンブルを笑顔で楽しんでいらっしゃいました。最後はもちろん小川小中学校校歌。
そして盛況につきアンコールも。あっという間の一時間でした。
もう少し小中学生の皆さんとお話ができたらと思いましたが、フェリーの都合により4時間半の短い滞在となりました。
名残惜しさを抱き、美しい海を眺めながら、再び多くの釣り師と共に島を後にしました。